ブレグジット:世紀の大勝負で読みが当たった・・・はずだったのに

LIAN

LIANと申します。
60代男性です。
以下に述べるのはブレグジット(イギリスのEU離脱)を決める4年前のイギリス国民投票時、英ポンドFX取引に関して実際に私が経験した失敗例です。
言ってみれば単に賭ける方向とタイミングを間違えたという話なのですが、普段なかなかない大舞台での出来事でもあり非常に印象に残っている件なので、お話ししてみたいと思います。

FXのスタイル

最初に私のFXの投資スタイルについてちょっとだけお話ししておくと、ローリバレッジ・長期保有型ということになるかと思います。
論理的な根拠に基づくポジションの取り方を重視しており、テクニカル分析などを使ったうわべだけの短期的な値動きに左右される投資行動は控えるようにしています。

ブレグジットについて

ブレグジットについての解説は控えますが、話の展開上簡単にまとめておきます。

イギリスは40年来EUのメンバーとして域内関税を免除されてきたのですが、EU経費を嫌い、より独立した政策を取ろうとする「離脱派」の勢力が強くなったため、「残留派」多数の保守党政権がイニシアチブを取るため国民投票による政策決定を約束した、というのが話の経緯です。

EU離脱はほぼ間違いなく関税の復活を意味するため、もし実現すれば英ポンドは大幅に下落すると見られていました。

FXではポンド売りを予想

実はこの時、私は「離脱派」勝利に賭けていました。
世の中の論調は「残留派」勝利を予想する方が多く、そもそもイギリスのキャメロン首相が政治生命を賭して国民投票を実施したのも自分たちが勝つとの確信があったからに他なりません。
当時その反対を予想するのはかなりのヘソ曲がりでしたから、私の場合などは典型的な「逆張り」パターンだと言えるでしょう。

実際、投票前に何度か行なわれたイギリスの世論調査では残留派・離脱派ほぼ半数ながら、わずかに残留派優勢との内容が多かったのです。
私はそれでもめげずにポンド売りのポジションを維持していたのですが、投票直前になってBBCが「残留派多数」との予想を発表したことによりポンドが上昇。
これにはさすがに読みのはずれを認めざるを得なくなり、やむを得ず数十万円にものぼる損切りをしてポンド売りポジションを全て解消しました。

そして結果は

ところが事態は思わぬ方向に展開することとなりました。
開票が進むにつれ、何と離脱派がわずかながら多数を占めることが判明。

上昇を続けていたポンドは反転し、あれよあれよという間に急落
一時1ポンド160円を超えていたレートが短時間のうちに130円近くまで下落するという歴史的ともいえる暴落にまで至ったのです。

よく「たられば」だよね、などと言いますが、自分の反省材料の一例としてあえて言うならば、この時の判断間違いによって結果的に私は約1,000万円の利益を逃したことになりました。
以上がイギリスのEU離脱、ブレグジットを問う国民投票時におけるFX投資判断失敗例のてんまつです。

この件からの教訓

「あと考え」でいろいろ言うことにあまり意味はないのかもしれませんが、それでもこの失敗例にはいくつか教訓とすべき特徴があるように思います。

1.
まず、逆張りでハイリスクをねらって構えている時に順張り方向へ流れそうになったとしても、あわててポジション解消に走る前に一瞬だけでも冷静な判断行動を取るべきです。
なぜなら順張りであるということはその方向にはサプライズがないということであり、急激な損失が膨らむかどうかはその時の状況に大きく依存するからです。
無論ただ無意味に結論を引き延ばす意味はありませんが、少なくとも反射行動ではなく論理的な判断によって意思決定すべきだったと思っています。

2.
マスコミを100%信じないこと。
それがたとえどんなに有名で信頼できそうなメディアであったとしてもマスコミはしょせんマスコミです。
報道を信じてあなたが多額の損失を被ったしても、当然のことながら誰も補填してくれるわけではありません。

ましてや選挙結果の予想などというものは(マスコミは大好きですが)実はもっともあてにならないものの一つだと考えた方が良いでしょう。
当たり前の話ですが、自分の投資については自分で考えろ、ということだと思います。

以上、他人のFX失敗例として何かの参考になれば幸いです。